大学の講堂の前を通りがかると、芝生でとんぼが群れていた。夏が終わる。四季で1年がきれいに4等分になるCfaで暮らしているはずなのに、夏だけがいつも早足でかけ去ってしまう。熱帯で過ごす1年は寒帯での1年より目まぐるしいのだろうか。いずれにしろ、夏は終わる。
あとに僕のだいすきな僕の季節が待っているというのに、夏の終わりだけが妙に淋しい。淋しいけれど、引きとめたいという気にはならない。