他人のことばに対してざらついた気持ちになることが、ここのところ多い。ことばの一つひとつに載せるものが重すぎるのだろうか。僕は僕自身にストイックすぎると言われたことを思い出す。そうなのかも知れないと思う。それを他人に求めてはいけないとも思う。ことばは事物のラベルで、しかも正しいとは限らず、適切だとも限らず、でもだからこそ僕は、愛をこめて大切に扱いたいのだ。その結果、沈黙せざるをえなくなっても。
他人のことばにかなしむくせに自分は沈黙することしかできないなんて。でも何も話さないことはそれ自体でひとつのことばで、僕は積極的に沈黙を選択しているのである。