でも枯葉でさつま芋を焼いた記憶はある

さいころに使っていた英語のテキスト、なぜかどのテキストも、「fall」という語には、明るい色のジャンパーにジーンズの格好をした子どもが落葉の上に仰向けになっているイラストが添えられていた。
僕はうらやましく思っていた。近くにあるていど規模のある落葉樹林があることに、また、落葉の上に躊躇いなく寝転がれることに。芝生の上に座ることは躊躇するのに、アスファルトやタイル舗装路が平気な僕は、きっと都会っ子で現代っ子なんだろう。
そのころの憧れにふたたび触れて、取りこんでからベッドの上に無造作に投げてあった洗濯物の山に飛び込んでみた。ぱさっとしてあたたかかったけれど、どこかつんと澄ました、秋の日のにおいがした。