悩むのが青春の特徴だというのなら、僕はつい最近まで青春なんてしてこなかったことになる。悩んだからって、よい答えが出せるとは限らないが、ひょっとして後悔しない道を選べたのではないか、と、いま僕は後悔している
浪人してでも元第一志望を受けた方が良かったんじゃないか、すなおに東京近辺の私大に行っておけば良かったんじゃないか、せめてぶんがくぶを受ければ良かったんじゃないか、などと長いあいだ考えていたけれど、少なくとも3つ目のに関しては、今のままで良かったと思えるようになってきた。ある学問をやりたくても、ずっと別の学問に縛られていなくちゃいけないのなら、僕はおそらく大学を飛びだす。勝算がなくても。だから学問種という点でフレキシブルな今の学部で良かったし、比較的簡単に飛びだせる実家暮らしでなくて良かった。でも、1つ目について考えると、やっぱり微妙な心持で、合否に拘わらず、ちゃんとがんばることが必要だったんじゃないかと思ってしまう。第一志望が元第一志望になったのだって、隣の担任(自分の元担任)に相談に行ったか、自分の担任に相談に行ったかの違いなのだし。ラクな選択肢にやすい気持ちで乗っかった自分がいけないのは解っているけれど
とかなんとか過去のことを考えても仕方ないので、現状について考えてみると、考えれば考えるほど、僕なんて院に行く価値がないんじゃないかって思ってしまう。自分よりも教養がある人が進学をあきらめたりする様をみると、そう思わざるをえない。でも行かなかったら行かなかったで、いまみたいに後悔する自分が見えている(仮に後悔しなくても、それは合理化としか思えないだろう)ので、Mまでは行くのだろうとぼんやり思う。いまさら学問以外のことをやれと言われても何すれば良いか解らないし(学問できているかどうかはおいといて)、しょうじき学校の外に出たくないという気持ちが強い。だいぶ機能が薄れてきてはいるものの、大学という保護区域に守られて生きたい。天然記念物でも珍種でもない僕を保護してくれるかどうかは解らないけれども